混乱していたが、トイレに長居するのも恥ずかしかったので、何も見なかったふりで、私はリサの部屋に戻った。

すると、リサは自室から窓の外のほうを向いたまま、こちらを見ようとしない。

「リサ…?」

恐る恐る声をかけたところ、

「多分…見たわよね…?」

そんな言葉に、ギクリとする。

「見たって…?」

「いいの、正直に言ってくれて…さっき私も見たから、知ってる。引いたでしょう?」

そう言うリサは、声も肩も小刻みに震えている。

隠しても無駄だと察して、

「えっと…あの叔母さん二人って、一人は血縁がない…ということ?」