「いやー…リサってば、遂に学年1位とは。やったね!」

いつもの喫茶店で語らう私たち。

2年の1学期の期末試験が終わり、いよいよ夏休みだ。

リサは元々聡明な雰囲気だし、努力家だということも知っていたけれど。

「だって…私は努力でどうかなることぐらいしか出来ないから」

成績優秀で容姿端麗なのに、全く鼻にかけていない。

そんな限りなく完璧に近い子なのに、何故だか自分に自信のなさそうなリサ。

いくら笑顔をみせてくれても、淋しさを隠し切れない様子を見ていると、その細い肩を抱き締められたら、と…出来やしないことを想う。

「オリエは、夏休みには実家に戻るの?」

「ううん。親との折り合いがよくないし、寮に残るよ」

またしても、核心は誤魔化してしまった。