「見た目がマニッシュなだけで、別にサバサバしてないよ。リサも何かあったの?」

「うん。ビックリするほど、ほぼ同じようなことがね。中学生になったばかりの頃、目立つ男の先輩が私に告白してきたの。断ったけど、何しろ目立つ先輩だから、黙っていても噂はあっという間に学校中に知れ渡ってね。運悪く、学校内でも柄の悪い女の先輩が、その人を好きだったらしくて…そこからはもう、オリエと同じ…。それで、不登校になっちゃったの」

「そっか…でも、ちゃんと偏差値の高い高校に合格したのは凄いね」

「凄くないわよ。家庭教師に毎日何時間も勉強みてもらってたし、地元から離れたくて、ここに来たんだから。オリエこそ、一人でいじめに耐えたなんて凄い。私は、逃げてしまったもの」

「逃げることも時には必要だよ。地元は何処なの?」

「函館」

「えっ、そんな遠くから!?」

「うんと遠くに行きたかったからね。因みに、ここで同室だった人は、学校が想像と違ったからって転校しちゃったし、今年度からは、近くに住んでいる叔母の家から通学してるの」