WeddingChristmas

「……くん、紺くん!」
「ん……え、初……?なんでエプロンなんか……」
今は旅館にいるはずなのに、なんで……?
「もう、紺くんったら寝ぼけてますね。起きてください!ご飯できましたよ!」
初に手を引かれて起き上がると、そこは確かに寮だった。
……あれは夢だったのか。
幸せな夢から一気に現実へと引き戻された。
そんな俺の少し落胆した気持ちも知らずに、俺の手をぐいぐい引く初に連れて行かれた机を見ると、そこにはエビフライに唐揚げ、たまごサンド、コーラ。
他にも色とりどりのおかずが並んでいた。
中でも一番俺の目を引いたのは。
「これって……」
「クリスマスケーキです!頑張って2段にしてみました!」
1年の頃からかなり上達した初の手作りケーキは、夢に出てきたケーキと全く同じ。
いちごが乗った、2段のものだった。
まだ何ヶ月も先の俺の誕生日。
今すぐにでも結婚したい。
待ちきれないほど、初のことが愛おしくてたまらない。
「……愛してる」
気持ちばかりが前のめりになって、つい口にしてしまう愛の言葉。
最近口元の緩みをよく感じるようになった。
「え、え!紺くん!今愛してるって言いました!?」
「うん、言ったよ」
俺が言うと、かーっと顔を真っ赤にして、それでも俺に近づいて、まっすぐ俺の目を見た。
あ、これは……。
「もう一度!もう一度お願いします!」
やっぱり。
いつもならまた今度ねって逃げる俺も、どんどん溢れ出る気持ちを抑えきれなくて。
「初、愛してるよ」
そう伝えて、キスをした。