麗しの薔薇




「……赤瀬組、のことですか。」


名前も呼びたくないものだが……私は確信して、口を開いた。


「…っ!?そうか、もう既に…」


案の定、天さんは動揺し悲しそうに呟く。


と、いうか─


「既にって……天さん、やっぱり知っていたんですね。」


そう。いつも天さんは私にこそ言わないが私宛の依頼は全て把握している。


だから、今回あの赤瀬組が関わってることを知って前もって連絡しようとしてくれたのだろう。


「…あぁ。本当はこの連絡で依頼を受けるなと言いたかったんだが…一足遅くなってしまったな。」


やっぱり。
天さんからの連絡、しかも電話なんて…すぐ私のことを心配してくれたんだなと実感する。


──私にとって天さんは父親代わりとなってくれた人だから。