次の日、学校に行くと、
私の教室の前で昨日の3人組が立っていた。



「あ、きたきた!遅いよ〜」



周りにバレないように、友達のふりをして、
人通りの少ないところに連れて行く。
中学生の時と全く同じだった。



「早く行こ〜」



そう言って、私の腕を組む。



もう逃げられない。



「いお…友達?」


「友達っていうか、先輩かな?
バレーボール、昨日きてくれて
仲良くなったの」



日向の質問に、私が答える前に先輩が答える。


「あ、そうなんですか」


「じゃあ、いおちゃん、ちょっとかりるね?」


「はい」




日向、助けて…。





そんな視線を送って、目が合ったところで、 私は腕を引かれた。




気づいてくれただろうか。





…気づいてるわけがない。




そう思っても、どうしても願ってしまう。






誰かが助けに来ることを。
誰かなんかじゃない。






私が一番助けに来て欲しい人は、






先生だった。





そして、私はそのまま部室に連れて行かれた。





「…あなたってほんと、うざいんだよね」




そう言って、私を押し倒した。
そして、何回も何回も蹴られた。





(何かされたら、絶対に俺に言って。
いや、できれば、される前に)



言えなかった。
先生との約束、守れなかったね。




それでも、先生は約束守ってくれる?




私を…助けてくれますか?




(絶対守るから)




先生はそう言ってくれたから、
私は信じてるよ。






だから、遅くなってもいい。







私を…助けてください。



お願いします。




心の中で言った願いなんて、
誰にも届かないのに、
私は、ただ痛みに耐え、
何度も何度も願った。




…先生が来てくれることだけを。