もう一度、家族に――✩.*˚ 初×婚コンテスト

 風船割りの時には心の距離があって出来なかったけれど、今、ぎゅって抱き合いたくなった。そう思っていたら、翼が強くわたしのことを抱きしめてくれた。

「強めのスキンシップ禁止だっけ?」
「そうだね」

 どうやら各部屋サーモグラフィーをAIが管理していて、いきすぎたスキンシップをすると警報がなるらしい。

 世間的には強めのスキンシップではないのかもしれないけれど、わたしにとってぎゅっとするのは、ドキドキいっぱいしちゃって刺激的だから、警報がなりそうで。急いで離れた。

 それから意味もなく何度もお互いの名前を呼びあった。

「はるちゃん」
「翼」
「はるちゃん」
「翼」
「……中津 遥」

 いきなり翼の名字とわたしの名前を合わせて彼が言ったからドキッとした。