オージさまはマテができない



 昨日はきつく言い過ぎてしまったかもしれないな、と我ながらに反省した。さすがにもう訪れないかもしれない。いや、来なくてかまわないのだけど。

 まあ、来るなら来るでいいけど?などと全く待っていないポーズをとりつつ首を長くして待っていたらやっぱり来た。来るな来るなで来てくれるの、わかってるね。


「そろそろ春ちゃんって呼んでもいい?」


 ラムネを持ってきた今日の羽地くんは、おそるおそるといった感じで私に尋ねてきた。

 なるほど、昨日の気まずい空気などすっかり無かったことになっているようだ。助かるけど、腑に落ちないな。

 しかし私だけがねちねちと過去の話を引き摺るのもおかしいので、そちらの世間話に乗っかることにした。


「私のこと?」

「うん、吉木さんだと距離が遠いでしょ」

「なんで縮めようとしてくるのよ」

「え、友だちだと思ってたの僕だけ?」

 
 正直なところ、友だちというには烏滸がましいと思っていた。そこまで親しいかんじではない。でも、毎日昼休みの半分を一緒に過ごしているなら、それは友だちといっても過言ではないな。