ただ、デリカシーはあまりないので神経を逆撫でしてくるところは否めない。周囲の視線が痛いので、私は鳴らしたい舌打ちをぐっと堪えた。
「昼休みの前半は友だちと食べるけど、後半になると私のところに来客が多いから友だちは彼氏のところに行っちゃうの」
「来客? 僕のとこもお客様だと思ってる?」
「え、うん」
「じゃあ、いちばんの常連客を目指すね」
結局この日は、たいした恋愛相談もせずに予鈴までたっぷり喋っていった。飼っているトイプードルの写真が映されたスマホの画面を掲げて「みて、この顔ウケるよね。欠伸してんの」とか言って自分で笑っていた。あなたんちの犬、知らないし。



