私の存在に気付き、嬉しそうに振り返ったオージくんはにこにこ微笑んで私を呼ぶ。
「はーるちゃん」
「まだ帰ってなかったの」
「帰らないよ、今日の放課後は一緒に過ごすって約束したじゃん。ずーっと待ってるの、ハチ公だから」
まわりのみんなに付き合っていることを悟られたくなくて、さらには私がオージくんの笑顔にときめいてしまったことなど死んでも悟られたくないので、刺々しい口調になってしまった。
そんな無愛想な私を包み込むようにやさしく笑って、彼はふわりと私の手を取った。オージくんなりの「おて」である。
メニュー