「波木さんにバレました」


 そして鳩井が何かをチクった。


「え!?わわわわたし何も知りません!!」


 やばいやばいやばいなんかよくわかんないけどやばい!

 鳩井の後ろに隠れてシャツをぎゅう、と掴む私に、鳩井は首を傾げる。


「……バレたって、どこまで?」


 殺し屋(仮)の鬼塚先生は眉間にしわを寄せて私を見ている。


「発作起きた時に波木さんに助けてもらったんですけど、催眠があんまり効かないみたいで」


 鳩井の言葉に鬼塚先生が目を見開いた。


「それ、本当か?初めてだろ」

「はい。強制催眠もだめでした」

「……わかった」


 鬼塚先生はデスクに行ってゴソゴソと何かを探し始める。

 待った、何を探してる?

 縄?刃物?それともヤバい薬??