不意に、鞄についたゾウのぬいぐるみが目に入った。
鳩井は今まで、ゲームセンターに行ってはいけないというおばあちゃんの教えを律儀に守っていたらしい。
そんな真面目な鳩井が初めて入ったゲームセンターで、初めてのUFOキャッチャーでとった、ゾウさん。
無表情だけどどこか優しい顔が、なんとなく鳩井に似ていて、愛おしさがこみあげる。
てぇてぇ~……。
ふと、さっき三上さんに言われた『何がきっかけで付き合い始めたの』という言葉を思い出して、なんとはなしに鳩井とのこれまでを思い返してみる。
最初はほぼ事故みたいなキスから始まったんだよね。
それでキス魔だってカミングアウトされて、なぜか私とのキスはおいしいっていってくれて、それでキスフレになって……
……ん……?
私、何か忘れてるような……?
腕を組んでしばらく考えこむ。
「んー……?」
唸り声が漏れてしまって、だーさんが運転しながら「どうしたーん」と声をかけてくれる。
「なーんか大事なこと忘れてるー?」
「えー?なに、仕事?学校?」
「うーん……」
そして、ようやく在りし日の鬼ちゃんの声を思い出してハッとする。
『鳩井、キス魔治せるぞ!!』
「っあーーー!!!!」
思わず絶叫した私に、だーさんが呼応するように「キャーーー!!」と叫んだ。
鳩井は今まで、ゲームセンターに行ってはいけないというおばあちゃんの教えを律儀に守っていたらしい。
そんな真面目な鳩井が初めて入ったゲームセンターで、初めてのUFOキャッチャーでとった、ゾウさん。
無表情だけどどこか優しい顔が、なんとなく鳩井に似ていて、愛おしさがこみあげる。
てぇてぇ~……。
ふと、さっき三上さんに言われた『何がきっかけで付き合い始めたの』という言葉を思い出して、なんとはなしに鳩井とのこれまでを思い返してみる。
最初はほぼ事故みたいなキスから始まったんだよね。
それでキス魔だってカミングアウトされて、なぜか私とのキスはおいしいっていってくれて、それでキスフレになって……
……ん……?
私、何か忘れてるような……?
腕を組んでしばらく考えこむ。
「んー……?」
唸り声が漏れてしまって、だーさんが運転しながら「どうしたーん」と声をかけてくれる。
「なーんか大事なこと忘れてるー?」
「えー?なに、仕事?学校?」
「うーん……」
そして、ようやく在りし日の鬼ちゃんの声を思い出してハッとする。
『鳩井、キス魔治せるぞ!!』
「っあーーー!!!!」
思わず絶叫した私に、だーさんが呼応するように「キャーーー!!」と叫んだ。



