真面目な鳩井の、キスが甘い。

 付き合ってる男女が二人きり、ひとつ屋根の下。

 なんにもしないで別々の部屋、10時に就寝。


 パタンと隣の部屋のドアが閉まる音がする。
 

 「……はは」

 乾いた笑いが漏れた。


 ……え?本気?

 そんなカップル、いる?

 付き合って数ヶ月のほやほやなはずなのに、そんなカップル、存在する!?

 そして私は、おっそろしい事実に気が付いてしまう。


 「……触られてない」


 私、今日、鳩井に触られていない。

 私から触りに行くことはあっても、鳩井の方からは指一本たりとも、触られて、ない!!


 脱力した私はベッドに倒れ込んだ。

 ……鳩井の真面目さ、侮ってたかもしんない。


 一応専属モデルとかさせてもらって、見た目にはそれなりに自信があったんですけど。

 私って、そんなに魅力ない……?


 泣きそうになって鼻をすすった、その時だった。