真面目な鳩井の、キスが甘い。


 ⋈





 鳩井家のお風呂を借りて、洗面所でタオルドライする。

 持ち歩いていた替えの下着を身に着けて、鳩井が用意してくれた少し大きめのシャツを身にまとうと、ふわっと鳩井の匂いがしてドキッとする。

 そして鏡の前に立って、ふー……と深呼吸。

 スキンケアを終えた自分の顔をまじまじと見てみる。


 ど す っ ぴ ん 。


「……やば」


 どんなに遅刻しそうになってもメイクだけは欠かさない私。

 鳩井にすっぴんを晒すのはこれが初めてのこととなる。

 雑誌ですっぴんからメイク企画したこともあるし、そこまで抵抗あるわけじゃないけど……

 なんか弱々しくなるというか、幼くなるから、あんまり好きじゃない。

 かといって一晩中メイクしてるわけにもいかないし。

 これで出ていくしかない。


 私はドライヤーのスイッチを入れて、すっぴんの自分と目を合わせながら髪を乾かす。


 鳩井、どう思うかな……タイプじゃないって幻滅されたらどうしよう。

 ……てか本当に泊まるんだ、私。

 鳩井の家に、二人きりで、お泊まり……




 『鍵のかかる密室で二人きりになったら100パー食われると思え』



 
 ……これは、本当に、あるかもしれない。