真面目な鳩井の、キスが甘い。

 ッブシャァァァァアアアアア



 鳩井と私は、その景色に圧倒されて声を飲み込んだ。



 もはや雨とは思えないほどの強い雨が、地面を殴りつけるように降っている。



「……えー……」



 さっきまで平和だったのが、嘘のような土砂降り。


《じゃあね!リスケしてまた送るから!》


 ブツッとだーさんが通話を切った。

 私と鳩井は暗い空を見上げたまま空いた口がふさがらずに、鳩井のスマホから小さく漏れる《今日はもう危ないからヒナちゃんおうちに泊めてあげなさい》という敦子さんの声を、働かない頭で聞いていた。