真面目な鳩井の、キスが甘い。

「……一緒行く?」


 いっそ鳩井を持っていきたい。
 

「行かない」


 即答された。

 
「……ですよねー。」


 鳩井が立ちあがって、机に広げたアルバムをしまっていく。


「駅まで送る」

「……」


 知らない鳩井を知るたびに、まだまだ私の知らない鳩井がいるんだって実感する。

 まだ足りない。もっと知りたい。

 
「鳩井のこともっと知りたいなぁ」


 できれば、ずっとそばにいて鳩井のことを見ていたい。

 私のぼやきを聞いた鳩井が、収納棚を閉めようとしていた手を止めてかたまった。

 しばらくして眼鏡をクイッと直すと、


「……ひと雨来るかもしれないからはやく行こ」


 鳩井はパタンと棚を閉じて足早に部屋を出て下に降りて行ってしまった。


「ちぇー」


 私も渋々立ち上がって階段を降り始める。