真面目な鳩井の、キスが甘い。

「適当に座って」


 鳩井が奥にあるアルバムを出そうと、手前の段ボールをどかしながら言う。


「はーい」


 私は言われた通り、ベッドとローテーブルの間にちょこんと体育座りする。

 ガラスの四角いローテーブル下の収納に、雑誌が置いてある。

 一面綺麗な星空写真の表紙に、天文ナビ、と雑誌タイトルが表記されている。

 サブタイトルに『流星群を見る』とか、『木製の表面変化を観察しよう』とか書かれていて、どうやら天体観測専門の雑誌みたいだ。

 そこでハッとする。

 そういえば鳩井、天文部じゃん!

 
「ねー鳩井!」


 鳩井が私の背中側のベッドに上がって、カーテンを動かす音がする。


「ん?」
 
「鳩井ってさぁ、」


 星が好きなの、と聞こうとして、顔をあげた。

 
「「!」」
 

 ちょうど後ろから私が見ているものを覗き込もうとした鳩井と、顔が近くなった。

 それは、もう少し近づけばキスできるほどの距離。