真面目な鳩井の、キスが甘い。

「そうだ!プリン食べない!?一緒に食べよ!」

「あ、うん」


 頷いた鳩井がキッチンに向かうのを、私はソワソワしながらついていく。

 ちょっとよれた白いTシャツは、背中のロゴの擦れ具合から言って結構な年代物かも。

 パタパタと鳴る足元のスリッパもクタクタで、ずっと使ってるんだろうなってことが分かる。


 これが、オフの鳩井……!
 

 ニマニマしてると、気付いた鳩井がふ、と笑う。
 

「座ってていいよ」


 それは、いつものクセのある笑顔。


「はぁい……♡」


 同棲してるみたい、なんて。

 そんな妄想しちゃったって言ったら鳩井、引くかなぁ。


 言われた通り大人しく席について、食器棚からスプーンを取り出す鳩井をやっぱりニマニマと眺める。

 勢いで来ちゃってすぐ帰るつもりが、まさかこんなご褒美イベがくるなんて…!

 鳩井は毎日ここで生活してるんだなぁ。

 ここでくつろぐ鳩井を想像して、ニマニマは止まるところを知らない。

 ふと、テレビ横の写真たてが目に入った。


「!あれ、鳩井!?」


 鳩井はプリンとスプーンをテーブルに並べながら私の指さす先を見る。

 いくつか並んだ家族写真。

 そのひとつに小学校低学年くらいの眼鏡をかけた可愛い男の子が、動物園の大きなモルモットを両手で恐る恐る抱えて写っている。