真面目な鳩井の、キスが甘い。

「……あ、そうだ鳩井!このあと寄り道デートしない!?」

「寄り道……?」


 鳩井は抱きついて私に寄りかかったまま離れる気配はない。


「今日撮影が4時からだから、それまで時間あるんだ!一緒にご飯食べてフラフラしようよ~!あ、でも人混み、疲れちゃうかな?」

 
 また街で気づかれちゃったらデートどころじゃなくなっちゃうかも…

 
「する」

「!」

「寄り道デート……する」


 耳元で聞こえた鳩井の片言が可愛すぎて胸がキュンと高鳴った。

 その時だった。

 鳩井がズルッと私の肩から滑り落ちて、


「!」


 ドサッ。


 倒れた。