ほら

 ほらね

 見て


 私の自慢の彼氏、世界一かっこいいでしょ?





「…………だめって言ったじゃん」


「え?」


「その顔」


「……!」



 どうしようもなく熱くなったその顔を、私は慌てて俯かせる。



「は、鳩井のバカっ、急にキュンとさせるから……!」

「ふ」


 鳩井の笑う気配に、まだまだ冷めそうにない顔をあげてしまう。




「ごめんね」




 そう癖のある笑顔で言って、また好奇の目で溢れる中を私の手を引いて堂々と歩き出す。


 そんな鳩井の背中が、あまりにもかっこよくて、尊くて


 独り占めしたいなって、思った。

 
 もしかして鳩井もこんな気持ちだったのかなって思ったら、すっごく愛おしくて、幸せな気持ちで満たされて

 
 なぜか無性に泣きたくなった。