真面目な鳩井の、キスが甘い。

「いいね。ヒナちゃん、いい意味でいつもと全然表情違うよ!じゃあ次、〝好きだよ〟って言ってみて~」

「え!?」


 無茶ぶり!


「なにヒナちゃん~。今日いっぱい好きって言ってたじゃん~」

「あ、確かに!」


 そうだそうだ、いつもの感じで言っちゃえばいいんだ!

 私は満面の笑みを携えて鳩井を見る。


「好きだよ♡」


 そう言った瞬間、鳩井がグンッと勢いよく顔を下に向けた。


「っ、」


 鳩井の耳が真っ赤になった。


 ……は? 可愛いな?



「っあー、鳩井くんいいねいいねー!マスクしてんのもったいないな~!」

 
 バシャバシャとシャッター音が鳴り響く中、鳩井はカメラレンズから逃げるように顔を横に背けた。

 もーなに~!可愛いが限界突破してる~!持ち帰りたい~~~!!