真面目な鳩井の、キスが甘い。

 自分のボードを出しながら、スタッフさんが出してくれたボード上の解答の中から鳩井の名前を探す。

 鳩井は……


「4番!?」


 1番でも3番でもなく!?

 バッと隣を見ると、無表情の鳩井と目があった。

 鳩井のホワイトボードには、しっかり〝①〟と、私の番号が書いてある。



「「……」」



 鳩井にあててもらえてすっごく嬉しいはずなのに。



 申し訳なさ過ぎて

 素直に喜べない。



「鳩井……えっと、その……」



 ごめんって言っていいのかもわからず、涙目でオロオロする。


 
「…………ん゛っ」

「!!」


 鳩井がホワイトボードの影で俯いて肩を震わせ始めた。


「なんで!なんで笑うの!」

「いや……だって……この世の終わりみたいな顔、するから……くっ」

「え!?そんな顔してた!?」

「うん」


 鳩井が少しだけ顔をあげて、穏やかな目で言う。


 
「……いいよ。これから覚えてくれれば」


 
 そう言った鳩井がかっこよ過ぎて、心臓をギュン!!と鷲掴みにされた。