真面目な鳩井の、キスが甘い。

「っ、!?」
 

 
 私を見て同じく停止してる鳩井に、私はズギュンッとハートを撃ちぬかれて、腰が砕けた。

 よろけて横に積まれていた段ボールにぶつかってしまう。


「っ……大丈夫……?」
 

 しゃがみこんで動けなくなった私の動揺っぷりに、鳩井が困惑している。

 大丈夫だよって言って安心させてあげるべきなんだけど、声が出ない。

 かっこよ過ぎて。


 鳩井は、わたしと同じ柄のオーバーサイズシャツにタイトな黒スキニーを履いていて、私とリンクコーデをしている。

 いつもの眼鏡は外されて、サラサラな黒髪はワックスで遊ばせて今どきにセットし、シルバーのイヤーカフとかリングなんかもつけちゃって、全体的に洗練されたオシャレな雰囲気をまとっている。