「知らねえよ!っあー、ムカつく!部活行く!」

「う、うん、いってらっしゃい……?」


 晴翔はこれまで以上に苛立った様子で、鞄をガシッと掴んで挨拶もなしに教室を出ていってしまった。


「……?」


 鳩井もだけど、晴翔もどうしちゃったんだろう。

 何を考えてるのかさっぱりわかんない。

 とりあえず情緒がやばそう。


「……まぁ、男の子にも色々あるんよ」


 いつでも平和な美愛が私の肩にポンと手を置いた。


「色々って?」

「色々さ」


 とりあえず喜びたいのに、手放しで喜べない感じになってしまった。
 
 なんか一人置いてけぼりにされちゃってる気分。