「安心しろよ。日向のことなら俺は何でも知ってるし、鳩井よりよっぽど彼氏らしくできるから」
私に背中を向ける晴翔の言葉尻に、心なしか冷たさを感じる。
あれ?晴翔、前は鳩井のこと溺愛してたのに……?
「……波木さん」
晴翔越しに鳩井に声をかけられて、慌てて顔を出して「はい!」と返事をする。
鳩井は晴翔に視線を向けたまま。
「後で詳細送って」
「へっ!?あ、う、うん…?」
そして鳩井は、廊下の方で困惑しながらこちらの様子を見守っていた尾道くんの元へ小走りで戻っていく。
え、え、詳細送ってってことは、つまり、
「わ、わぁ!ねぇ!晴翔!つまり鳩井、出てくれるってことだよね!?やった……やったぁ~~~!!すごい!すごくない!?なんでだろう!?」
「うるせぇ!!」
「!?」
怒られた!



