あれ?なんかおかしくない?

 わざわざ幼馴染み連れて彼氏のフリしてもらう必要あるかな。

 てか晴翔が急に近い。

 さっきまでの絶賛反抗期くん、どこ行った?
 

「そのマネージャーだって日向がその特集に出ること自体が望みなら、男が誰でも関係ないんじゃね」

「う、うーん」

「なにより、日向の彼氏が出たくないっつってんだからー……」


 晴翔が言葉を止めた。

 後ろに立った人にグッと肩を引かれたからだ。


「……なんだよ鳩井」


 そこには、鞄を持って廊下に出たはずの鳩井が、ただならぬ空気で立っていた。


「……」


 言葉に迷っているのか、声を発さない鳩井は少しばつが悪そうに、でもその手はしっかりと晴翔の肩に乗せられたまま。


「鳩井……?」


 思わず声をかけると、鳩井が晴翔から私に視線をうつした。