「あは……あはは、あは」


 私が壊れたように笑っているのは、定期テストの全行程が終了したときのこと。

 帰りの挨拶も終わったみんながテストの感想を言い合いながら帰り支度をしていく中、私は自分の席から動けないでいた。


「こわ」


 美愛が私を遠巻きで見ている。


「ねー美愛ちゃん……私結構、真面目にテスト勉強頑張ってたよね……?」

「うん」

「ちんぷんかんぷんだったよ……?」

「だろうねー」

「だろうねって!」

「人生そんな甘くねーのよー」


 美愛が私の隣の席に勝手に腰かけながらしれっと言った。
 

「……ぶぅ」


 人生の厳しさを知った波木日向、16歳の夏です。