真面目な鳩井の、キスが甘い。

 その時、ノックもなく突然保健室の扉が開いた。

 私も鳩井もビクッとする。


「おい!鳩井!やったぞ鳩井!」


 少し興奮気味のその声は、私も鳩井もよく知った声。

 ため息と一緒に肩の力を抜いた鳩井がシャーッとカーテンを開ける。


「ノックしてください、鬼塚先生」
 
「ノックなんかしてる場合じゃねぇ!朗報だぞ鳩井!」


 鬼ちゃんはバサバサと手に持った資料を揺らした。


「?」

「治療薬の開発に成功した!」

「……!」


 鳩井が動きを止めて、私は首を傾げる。


「治療薬ってなに?」

「決まってんだろ!鳩井の依存体質の治療薬だよ!」

「依存体質って……キス魔!?」

「そう!鳩井、キス魔治せるぞ!!」

「!!」

 
 鳩井のキス魔が、治る……!?