「っしゃー！！ナイス鳩井ー！」

　晴翔と尾道くんが鳩井の元に行ってハイタッチして、ようやく会場が湧く。



「「「「「ええええええ！？」」」」」


　みんなの大きな声に鳩井が小さくビクッと肩を震わせるのが見えた。


「え？鳩井って、前にボール顔面で受けて鼻血出した鳩井！？」

「すげぇ！！めちゃくちゃフォームきれいだったじゃん！！どういうこと！？」


　みんなが困惑している。

　もちろん私も。

「ん？……え？？」

　いま起きたことをすぐには信じられず目を細めて鳩井の影武者を疑う。


　そこで、鳩井と目があった。


「……！」


　鳩井が一瞬、ほんの一瞬、片側の口角をあげた。


「！？」


　即座にそっぽを向いてしまった鳩井。

　私はハッと顔を両手で覆う。

　なに！？今のファンサ！？殺す気！？！？！？