隣に座った鳩井に、私は声をかけた。


「鳩井、お……っ」


 『つかれ』を言う前に。


「!」


 鳩井にグイッと肩を抱き寄せられて、あむっと唇を食べられていた。


 !?


 キスされてる、と気が付いた次の瞬間には、ちゅっと音がして唇が離れていた。


 えっ あれっ


「ごちそうさま」


 鳩井はいつものようにそう言ってから、


 ちゅ。


「!?」


 流れるように私の頬にキスをした。


「あっ、ごめん」

「な」

「間違えた」


 間違えた!?


 鳩井は私のリアクションを待たずに立ち上がった。


「え、ちょま、間違えたって、」

「じゃ」


 ガラガラ……ピシャンッ。


 そして鳩井は、風のように保健室を出ていった。




 …………なん?