瑛ちゃんに促され、シャワーを浴びようとしてバスルームを覗くと大きなお風呂にジャグジーがついていて、アメニティはブランドの物だった。興奮が冷めやらず、思わず、瑛ちゃんの手を引っ張り、再びバスルームへと誘導した。

「瑛ちゃん、瑛ちゃん、お風呂が凄いよ。ブクブクが出るよ。コレ入れてブクブクしたら、泡風呂になるのかな?」

「陽菜乃、目が輝き過ぎだから。したいなら泡風呂にして良いよ」

泡風呂になるアメニティも見つけて、私はついついテンションが高くなってしまった。瑛ちゃんはそんな私を見てはクスクスと笑って、泡風呂の準備をしてくれた。

「はい、どうぞ。妊婦さんだから長風呂は駄目だよ。あんまり遅いと心配だから覗くからね!」

「はぁい、瑛大先生! 言いつけはちゃんと守ります!」

「分かれば宜しい」

入る前に瑛ちゃんに頭を撫でられて、まるで子供の様に扱われる。

時間的には長風呂はしてないと思うが、案の定、はしゃぎ過ぎてのぼせてしまい、上がろうと思った時にはグッタリだった。着替えようとしたら、ふらついて脱衣場で滑りそうになって、偶然にも居合わせた瑛ちゃんに助けられた。

「わ、瑛ちゃん! 助けてくれてありがとう」

「大丈夫か、陽菜乃? のぼせたんじゃないか?」

長風呂になるのを心配して瑛ちゃんが駆けつけくれたのは良かったが、私はバスタオルを纏っただけの姿だった。瑛ちゃんは動じずにバスローブを羽織らせ、私をベッドまで運んでくれた。

「少し冷やして、横になって」

私を横たわらせ、タオルを水で濡らして、額に充ててくれた。籠っていた熱が発散される様で、タオルのひんやりとした感覚が気持ち良い。