「今日、来てもらったのはね、実はさ……」

私が先に屋上から出ようとした時に瑛ちゃんが私を引き止めた。もしかしたら、産婦人科が関係しているのかもしれない。

「も、もしかして、私のお腹の中に赤ちゃんが居るのかな? 二宮先生が瑛ちゃんが戻って来たら一緒に話をしようって言ってたから。それとも、病気なのかな?」

私は言葉を発しながらも、ドキドキしていた。心拍数があがる。

「病気ではないと思う。……専門家じゃないから決定打にかけるけど、多分、陽菜乃は妊娠しているはずだ。食べづわりなのかな? と気になっていた」

「食べづわり?」

「そうだよ。何となくだけれども、陽菜乃は気持ち悪いと言いつつ、何かしらを口にしていた。食べると自然に落ち着くんだろ?」

「確かにそうだよ。そっか、食べづわりか……」

瑛ちゃんに言われて、今までの不可解な胃のムカムカとやけに食欲旺盛だった事の辻褄があった。