「ドキドキし過ぎで心臓が破裂しちゃいそうだから、これ以上、近寄らないでっ!!」

「心臓は専門だから、何かあっても直ぐにオペしてやるから安心しろ」

「そう言う事じゃないの……!」

私には余裕が無くて、瑛ちゃんが近づくだけで今だにドキドキしていて緊張もしている。

大好きなんだけれど、触れられると身体が固まる時もある。長い間、会わなかったせいかな?それとも幼なじみのままで居た方が、自分らしくいられたのかな?

照れ隠しをする様に次第に冷めていた紅茶を一気に飲み干し、テーブル上に置いてあるソーサーに戻した。

「今日は18時にデリバリーを頼んであるから。来るまでのんびりしよう」

自然に肩を抱かれ、瑛ちゃんの傍に抱き寄せられる。瑛ちゃんの心臓の音が聞こえて、ゆっくりと規則正しく動いているのが分かる。

「デリバリー? 何が届くの?」

「お弁当だよ。陽菜乃が好きな食べ物が中心だから喜んでくれると良いな。俺も利用するのは初めてだから届くのか楽しみなんだ」

「私も楽しみ! 私が好きな食べ物って何だろう?瑛ちゃんの好きな食べ物も入ってる?」

私は好き嫌いは無く、何でも食べるタイプ。特に好きな食べ物はお寿司と茶碗蒸し。茶碗蒸しはカニが入ってるのが一番大好き。