幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~

「だ、大丈夫だよ。火傷はしてない」

「それなら良かった。俺がテーブルまで運ぶから」

瑛ちゃんは火傷していないかどうか、私の手を片方ずつ見てから、ティーポットとカップ二つをトレーに乗せてテーブルまで運んでくれた。私はクッキーの缶を持ち、瑛ちゃんの後を追いかける。オレンジティーをカップに注ぐと甘酸っぱい香りが辺りに広がった。実際に口に含むとすっぱさよりも甘みが勝る。砂糖を入れなくともほのかな甘みがあり、更にはノンカフェインなので、最近のお気に入りである。

「いつもコーヒーばかりだけど、紅茶もサッパリして美味しいな。それに、このクッキーも美味しい。特にこのココア生地にアーモンドがクラッシュして入ってるクッキー、好き」

「私はシンプルなバタークッキーが一番好き。千瑛が半分食べてしまって、食べ過ぎ注意だったからしまっておいたの。湿気ってなくて良かった!」

「千瑛は甘い物に目が無いからな。特にチョコとアイス。直ぐに食べたがる」

「そうなの。それに瑛ちゃんと同じでお兄が作る練り切りが好きなんだよ。散歩がてらに二号店まで歩いていくと、自分で買うって言うから小銭入れにお金を入れて渡して買い物させるの」

「へぇー、千瑛もお兄ちゃんになったな」

たわいもない会話を楽しむ。千瑛が居る時はこの時間は寝かし付けで一緒にベッドに入っている為、何だか変な感じがする。千瑛が産まれる前は二人きりが当たり前だったのに。

千瑛が産まれてからは、千瑛が中心に生活が回っているので夫婦でゆっくりするのは本当に久しぶり。千瑛が寝てからは二人きりの時間もあるけれど、日々の忙しさも相まって、ほんの僅かな時間しかないかもしれない。