「陽菜乃が退院するまではここから仕事に通えるし、合間にこひなにも陽菜乃にも会いに来れるから、最高の部屋だな。外来予約と緊急時以外はここに居ようかな?」

「もしかしたら、ここに居る事が知られてるから、些細な事でもしょっちゅう呼び出しかかるかもよ?」

「それは困る……」

瑛ちゃんとの何気ない会話が楽しい。スマホに収めた、こひなの写真を何度も見ながら、沢山おしゃべりをした。夜が明けたら、こひなに会えるのが楽しみだ。

「ねぇ、瑛ちゃん。お願いがあるんだけど?」

「何?」

「ずっと、お腹が大きくて、ぎゅって出来なかったからしても良い?」

「うん、どうぞ」

両手を大きく広げた瑛ちゃんに抱き着く。まだ腰の辺りは痛いけれど、少しずつ薄れてきたから我慢出来る。それよりも瑛ちゃんの温もりを感じたい。

大好き。

神様にお願いしよう。私の大好きな人との愛の証、こひなが元気に退院出来ますように──