目が覚めると布団の横には小さなテーブルが置いてあり、その上には薬や水、体温計の他に、恐らく紺くんが作ってくれたうどんなどが置いてあった
「またうなされてたけど、やっぱりあんまり眠れなかった?」
私が起きたことに気付いた紺くんがそう聞いてくる
「はい、あんまり眠れなかったです。」
「そっか。」
紺くんがそう言うと少しだけ沈黙が続く
「眠る度に、、、、嫌な夢を、見てしまって。」
夢の内容はあまり覚えていない
でも、紺くんが、みんなが、離れてしまう、いなくなってしまう、
そんなことはない、そう分かっているのにそんな気がした
ギュッ
紺くんが私の手を握ってくれる
「……これでちょっとは安心出来る?」
体調が悪いせいか、なんでもネガティブに考えてしまう
きっと紺くんは、そんな私に気付いて手を握ってくれた
紺くんと手を繋いでいると、少しだけ気が楽になる
「少しでもいいから食べて、薬飲んで、安静にしてな?」
お腹は空いていたから、頷いて、箸を持とうとすると、力があまり入らなくて落としてしまう
どうしようかと考えていると、
「俺が食べさせてあげたほうがいい?」
それはそれで恥ずかしいけれど、自分で箸を持てないからそうしてもらうしかない
恥ずかしさで少し躊躇いながら頷く
「ん、」
私が頷くと、紺くんはそれだけ言って、うどんを冷まして食べさせてくれた
恥ずかしくて、紺くんの顔をあんまり見ることは出来なかったけど、紺くんの耳は真っ赤だった
うどんを食べ終わった後に薬を飲んで、もう一回横になる
起きたばっかりであんまり眠くなかったけれど、薬を飲んだからなのか、ご飯を食べてお腹いっぱいになったからなのか、眠くなってくる
大丈夫、紺くんはそばにいる
でも、次に目を覚ましたらいなくなっちゃってたりしない、?
紺くんはそばにいるのに、いなくなってしまいそうで、失ってしまうことがこわい
きっと、、、大丈夫、、、、、、、だよね
