初を布団に寝かせてしばらく背中をさすっていると、落ち着いたのか寝息を立てて寝始めた

俺は初が寝てる間に必要な物を持ってきて、初のおでこに濡らしたタオルを置く

とりあえずやれることはやったから、初の布団の横に座って寝てる初の顔を眺める




初はなんでも一人で抱え込む


初の誕生日の時も、


順位が2位に下がった時も、


体調が悪い時も、


いつだって自分の中に溜め込んで、それで初自身が不安や悲しみに押し潰されそうになる


でも、初は人一倍誰かを失うことへの恐怖が強いから、周りに心配を掛けないように全て一人で解決しようとする


誰かが、俺が、初の悩みに気付いてあげないと、初は誰にも相談できない


前回は婚約指輪をあげることで安心させてあげれた

今回も、恐らく前回のように“俺がいなくなってしまう”ということに対して恐怖と不安を抱いている

とりあえず初の体調を回復に向かわせることが最優先

あとは体調が回復した後でも、回復させながらでも、初がしっかりと安心出来るようにしてあげれば解決するはず

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『風邪を引いた時はいつもの10倍甘やかしてもらえるんです!うちではそうでした!』

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そんなことを考えながら、前回風邪を引いた時のことを思い出す


いつもの10倍甘やかす、か


体調が回復した後にも色々やれることはあるけど、それの前にやってみる価値はあるか