「痛えよ、まあいいよ、その代わりわかってるよな」


「わかってる、夜稽古に付き合うからさ」



瞬弥は図書委員の欄に大冴の名前を書いた。





大冴が本を読んでいると後ろから「野村くん」と呼ばれた。



大冴が振り向くと女子がびっくりしたような顔をしている。


「多分俺じゃなくて瞬弥だろ?」

大冴は瞬弥の背中を指さした。




新学期になってからはまだ女子とは話したことはない

だから違うと思ったし何気に初めて女子と話したなと思っていた。


会話が聞こえて瞬弥が振り向いた。


「ごめんなさい、席を間違えた」



まあよくあることだ……



1歩前に進み瞬弥に紙を見せていたが

「実は体育委員が決まらなくて……」

「そっか、みんなやりたくないって?」

「そうなの……どうしよう」



俺のすぐ横で立っている女子生徒


名前は和田菜摘(わだなつみ)だったと思う

女子の副委員長だ。


決める時も女子は推薦では誰も声はあがらず先生からの指名だったはず



理数系のクラスは少し女子の人数が少ない。


「うーん、今日決めなきゃいけないしな、明日早速委員会だし」


「は?」


大冴は顔をあげた。



「明日が委員会?」

「そうだよ」

「言えよな、部活の当番代わってもらわなきゃいけないじゃん」


「悪い、当番があるとは思わなかった」

瞬弥は両手を合わせて謝ってきた。



「めんどくせぇけどあるんだよ」