そりゃ母親が双子だから似ていてもおかしくない、ましてや父親も兄弟、小学生の頃に家族の関係を教えてもらった時に理解した。
本人達はもう間違いは慣れっこで特に気にしなくなっていた。
西が席に戻り大冴も大好きな本を出して読んでいた。
一方瞬弥は朝から1枚の紙を持ってみんなと話している。
自分の席に着くと後ろの席の大冴の方をクルっと向いた。
「大冴」
「何?」
「図書委員やってくんねぇ?」
始業式の後のホームルームで瞬弥はクラスメイトの推薦をうけ学級委員長になっていた。
今日までに各委員を決めなければならなかったらしい
「図書委員が決まんなくてさ」
「図書?いいよ」
「やった!本好きな大冴なら引き受けてくれると思ってた」
瞬弥は嬉しそうに笑っている。
「ちなみに、何で図書委員が余ったんだ?」
少し声のトーンがおちる。
「昼休みと放課後に当番があるから……」
「チッ!部活に出れないからみんな逃げたのか」
「多分な、でもまぁ、大冴なら練習でなくても……なっ」
爽やかな笑顔で肩を叩かれた。
この笑顔を見るとみんなやられるんだろうなと、自分も仕方ないなと瞬弥を見ていた。



