「こういう合宿ではさ、一人一人の好きなものを出すって事は難しいんだよ
作る人も大変な思いで作ってくれてるし強化選手に選ばれたら食べれないじゃダメな時も出てくるんだよ」
「強化選手?強くなる?」
「確実とは言えないけど食べれない時点で負けてると思うかな、兄ちゃんはだけどな、それは別に三好くんが同じように思うかはわからないよ?」
「強くはなりたいよ」
「だから申し込んでここまで来たんだろ?」
「うん」
ハアハアと菜摘がめんつゆと容器を持ってやってきた。
「待ったよね、はぁはぁ……ごめんね」
「ほら、お姉ちゃんがこの暑い中走って買いに行ってくれたみたいだ、めんつゆ入れようか?」
大冴がめんつゆを開ける。
「お姉ちゃん、走って買いに行ってくれたの?」
「あっ、うん、切らしてたから」
「ごめんなさい、ありがとう……
僕しいたけはちょっとまだ無理だけど作ってくれたつゆで食べる、そして買いに行ってくれたからそれも食べるよ」
「おっ、偉いな」
「しいたけも食べれるように絶対なるから」
三好くんは両方のつゆでそうめんを食べ始めた。



