「俺、可愛がれるかな」



「家で育てるか、向こうのばあちゃん家で育てるかわかんないよね」




父さんが2人を呼ぶ声がした。




「行こうか、大冴」


「うん」




リビングに4人が揃った。




「まずは、お前達2人に黙っていて申し訳なかった」




父さんと母さんに頭を下げられた。



「高齢出産だから慎重にと思ってたの」




「お父さんはお母さんと会ってたの?」




「うん、申し訳ないけど、向こうに帰ってたんだよ、やっぱり母さんも心配だしおばあさんも心配だったから」



「何で言ってくれないのよ」




「こっちに帰ったらついバタバタして……」




「ついじゃないわよ」




「ごめん……で、これからの事なんだが……」



向こうのじいちゃんが仕事を辞めたのでばあちゃんの面倒は自分が見ると言ってくれたそうで...
ばあちゃんのかかりつけ医が連携されているサービス付き高齢者の住居に引っ越す事にしたらしい



母さんの通ってる産婦人科は向こうだから
子供は向こうで産んで引越しが完了したら家に戻ってくることになるということだった。




年末にはすべて片付けて帰ってこれる予定みたいだった。


正直、半分くらいしか大冴の耳には入ってこなかった。