席に座っている大冴くんを目で追っていた。



瞬弥くんが何か話してるのにじっと聞いてるだけみたいだ。




伝えるって難しい……




放課後大橋先輩は足の回復がまだなため1年生の指導にあたっていた。




「先輩」


「大冴か」



「終わったら話がしたいです」




「わかった」



先輩はキャプテンから部室の鍵を預かり大冴と2人になった。


大冴は正座をしている




「今日菜摘ちゃんに悪いことをしたな」


「はい」



「聖衣子がそこまで思い詰めていることも知らなかった」




「俺もです、好きの言葉は1回もなかったし、一緒にどこか行きたいとかそういう誘いもなかったので……


ただ俺のSNSには俺に気があるような感じの事も書いてる時もあって……」




「それは、俺もフォローしてるから知ってるが、大冴にアプローチをしているものだと思ってた」




「昨日和田から聞いたんですけど、先輩好きな人と話せないってホントすか?」


顔が少し赤くなった。


「うん、そうなんだよな、きっと聖衣子もそういうとこがあるんだろうな」



「俺、妹さんの気持ちに気づいてながら何もしなかったし、先輩の言うこときいてましたけど、間違いでしたね」




「ああ、長すぎた、本当に悪かった」


ますます大冴への気持ちが大きくなっていってたんだなと先輩は言った。