体育祭も無事終わりクラス優勝は出来なかったものの、担任の先生もねぎらいの言葉をかけてくれた。



学校帰りの菜穂は駅近くの本屋に寄っていた。



「大冴くん?」



後ろから声をかけた。


大冴は立ち読みしていた本をバッと隠した。




ここは、いわゆる男の人が喜ぶコーナーではない



「何の本?」


「あっ、いや」



菜穂は近づいてみた。



上手くコミュニケーションをとる方法の本だった。



「私も読みたいくらいだ(笑)」




「1番近くに見本がいるじゃん」




「まあ、そうね(笑)それを言うなら大冴くんだってでしょ?」




「そか」


「今日部活は?」


「今ちょっと休んでる」



「ねぇ……ちょっとお茶しない?」



「あっ、うん」



2人で本屋を出て近くのカフェに入った。



「こんなとこ入ったことないんだけど」


「でしょうね(笑)」



「無理に食べなくてもいいからね」




「うん」



菜穂はミルクティーとケーキ、大冴はコーヒーを頼んだ。