コンコン
返事がない
「開けますよ〜」
ゆっくり部屋を覗いた。
寝てる?
ベッドに横になり顔には本が開いたまま寝ていた。
また、新しい本かな
部屋を見ると本棚びっしりに入っている。
顔の本をゆっくりと外す
可愛い(笑)
「大冴くん……」
驚かせないように小声で呼ぶ
ピクッと顔が歪んだ。
「ん〜……」
眩しそうにうっすら片目が開いた。
「起きた?」
「真広?」
「ううん、菜摘」
「……菜摘」
名前を呼ばれてドキッとした。
パチっと目が開き、飛び起きた。
「痛てっ!」
顔を覗き込んでいた菜摘のおでこにぶつかってしまった
「俺……今何か言った?あれ?」
菜摘も痛くておでこを押さえてしゃがんでいた。
「ごめん!」
ベッドからおりて菜摘の肩を持ち顔を覗き込んだ。
「大丈夫か?」
「痛い……」
「だろうな、えーっと冷やすか、冷えピタあったかな」
立とうとすると腕を持って止められた。



