カラーリングをしている待ち時間に真広と菜摘は話していた。



「2人は髪型もずっと同じにしてたの?」



「そうですね、一緒にカットにも行ってたので」



「じゃあ、何故今回変えようと思ったの?」



「わからないです、菜穂が変えたいって言ったので」



「高校生の頃って背伸びしたい時期もあるじゃない?菜穂ちゃんが変わりたいと思い始めたのかな」



「それはあるかもですね、瞬弥くんと付き合うようになってからマイナス志向だったのがよく笑うようになって、今まで私が励ましたりしてたんですけど、心が大人になったような気がします」




「それに、菜摘ちゃんは焦ってるんじゃないの?」



「焦る?」


「うん、だから大人っぽくっていう要望かなって」


うーん……

「ごめんなさい……全然わかりません」



「菜穂ちゃんが羨ましい?」



「え?瞬弥くんの事は好きとかじゃないですよ」

菜摘は手をヒラヒラと横に振る。



「相手は特定してないわよ、どんどん大人になっていく菜穂ちゃんが羨ましいのよ」


羨ましいか……



「菜摘ちゃんがお姉ちゃんなんでしょ?」


「はい」


「菜穂ちゃんが自立してきたから……菜摘ちゃんはそれが寂しいし、羨ましい」


なんとなく真広さんの言いたいことはわかる