それから私は3年生になった



大学への申請や受験勉強などいろいろなことに追われてあっという間に3年生の2学期に


「頼くんはどこの大学に決めたの?」


「俺の成績なら県外の大学も狙えるって言われたから、とりあえずその大学を目標にしてるよ」


「そっかぁ〜、頼くん賢いもんね。」


「そんなことないよ。」


「県外の大学か〜。そう簡単に会えなくなっちゃうね。みんな将来に向かってバラバラになっちゃうね〜。ちょっと寂しいや。」


「小嶋さんは?同じ大学じゃないの?」


「うん。ほのはスポーツ系の大学に進学するんだって。」


そう
ほのは部活でバレーボールをしていてそれを続けるためにスポーツ系の大学に行くことに決めたそうなのだ


「そうなんだね。俺も県外って言ってるけど、近い距離だし会おうと思ったら会えるよ。小嶋さんともね。」


「そうだよね。頼くんのいう通りだ。みんな目的持って頑張ってるんだから私も寂しいとか言ってられないや。」




これからそれぞれの土地で新しい生活が始めるんだ



「頼くん、ありがとう。」


「ん?何が?」


「ううん。なんでもない。帰ろ!」


頼くん
私本当に感謝してるんだよ
しんどいってずっと思っててもこれから先偏見なく理解してくれる人なんか現れないと思ってた
でも頼くんだけは違ったんだ
周りのことをよくみて、無理しないでって言ってくれて、変な同情なんかじゃなくて心の底から理解してくれる人がいた
あの時、本当の意味で救われたんだよ



ありがとう頼くん