「私ね借り物競走でたんだけど、やっぱり長袖長ズボンで暑い中走るもんじゃないね笑」
「しんどくなったのはそれから?」
付き合わせてしまったし、理由を話そうと思って軽めに言ったけど頼くんの表情はどんどん暗くなっていって…
「ねえ波瑠ちゃん。言いたくなかったら言わなくていいんだけど…」
「なんでいつも長袖なのか?」
頼くんの表情からしてそうくると思った私は自分から聞いてみた
「うん。前の秋斗のこともそうだし、今日のこともあったから心配で…」
私は迷ってしまった
真夏の外でも長袖な時点で「クーラーが…」という理由は流石に嘘だとバレてしまっているだろうから
本当のことを話そうか、もし話たらどう思われるのか、そんな心配しかしていなかった。
「…実はね、クーラーが寒いからっていう理由は嘘なんだ。ごめんね、嘘ついて。」
「いや、大丈夫だよ。でもなんでそんな嘘を…」
「頼くんはさ、アトピー性皮膚炎って聞いたことある?」
「あんまり詳しくはないけど、痒みが出たり、湿疹が出たりするんだよね。」
「うん。そう。私、それなんだ。」
この人になら本当のことを話しても、上辺だけの心配や同情を投げかけられることはないだろう
なぜか不思議とそう思えたんだ
「中学2年生まではそんなにひどくなかったんだよ。少し赤くなる程度で…」

