「…ん?私…。」
「波瑠ちゃん!起きた!?」
なぜか目を覚ますとベッドの横に心配そうな顔をした頼くんがいた
「頼くん…なんで?」
「なんでって、リレーが終わって退場口に行ったら倒れかけてる人を見つけて駆け寄ったら波瑠ちゃんだったから…。」
あぁ、なるほど
薄れゆく意識の中で名前を呼んでくれていたのは頼くんだったのか
「って今何時!?」
「5時くらいかな?」
確か私が借り物競走に出たのが2時くらいだったから…
「もしかして頼くん、2時間くらいここにいてくれてたの!?」
「でも、波瑠ちゃんのことが心配だったから。もう体調は大丈夫?」
「ほんとにごめん!もう大丈夫!ありがと。」
「もうみんな帰っちゃったと思うから、俺たちも帰ろうか。」
ほのが持ってきてくれていた制服に着替えて、帰り道を歩く
「頼くん、ほんとごめんね。こんな時間まで付き合わせちゃって。」
「大丈夫だよ。俺がいたかっただけだから。」
この人はどこまで優しいんだ

