無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「はぁっ…は、着いた…」

「ごほっ…はぁ、柊さ、速いっ…」

「あ、ごめん大丈夫か?」

「大丈夫です。でも喘息の患者の手を迷わず掴んで走りださないでください。ちょっと前の私だったら倒れてます」

「それはほんとにごめん…」



つくづくこの人は本当に医者なの?と思ってしまう。


それにしてもこんなに走ったのはいつ振りだろうか。


柊さんに触られた腕が、熱い。


なんか恋愛ドラマのワンカットみたいだったな。…疾風くんから逃げてただけだけど。



「うわくっそ走ったせいでぐっちゃぐちゃ」

「え、そんな崩れちゃうもの入ってました⁈」

「ん」

「えっ…」