無口な担当医は、彼女だけを離さない。



「栞麗?」



聞きなれた声がして、心臓が鳴った。



「柊さん…あれ?今日遅くなるって」

「それ昨日な。今日は早めに終わって今買い物帰り」

「あ!これカレーですね」

「は?野菜炒めだけど」

「えっ⁈」

「ちょちょちょ、え?先輩」



やばい、やらかした。


疾風くんの前で普通に柊さんと話しちゃった…!


しかもよりによって柊さんも買い物帰り…え、私ご飯の話もした?待ってそんなの確定で誤解される!



「は、疾風くんこれはねっ」

「あー俺栞麗の兄です。色々あって一緒に暮らしてて」

「えっ…」

「馬鹿、いい感じに合わせとけ」



いや話しかけてきたの柊さんじゃん…!


てかどう見ても顔が兄妹じゃないんだけど。こんなんで誤魔化せるかな。


そう思いつつ今は柊さんに合わせるしかないので私も続ける。